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【小説】RPてっかまき物語~更生したい魔物~

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まえがき

みなさんこんにちは。

てっかまきです。

昨日は何もイベントに行ってないので、小説第3弾を上げます。

今回の作品は6000文字程度の短編です。

前みたいに長くないので、気軽に読めると思います。

ジャンルはコメディーです。今回は戦闘ではなく登場人物のやり取りに焦点を当てています。

なので戦闘好きな人には物足りないかもしれませんが、まあ読んでみてください。たった6000文字ですから。

では、ご覧ください。

※ハーメルンに掲載しています→https://novel.syosetu.org/90806/4.html

RPてっかまき物語~更生したい魔物~

「おやじさん、エールもう1杯貰える?」

「ほい、エールね。おい、コルアサ、エール1丁だ!」

コルアサと呼ばれた店員はちょこちょこと厨房にエールを取りに行った。エプロンの似合わない、大柄でいかついオーガ男の店員である。

てっかまきはメギストリスの城下町に来ていた。昼間に町をあらかた見て回った後、酒場で一杯やってるのである。酒場は活気にあふれていた。みんな笑顔で酒を飲み、喋り、笑っている。そういう活気のある都会に来ると、こちらまで楽しくなってくる。

そのうちコルアサがエールを持って来たが、てっかまきの目前で前のめりにすっ転んでエールをてっかまきにぶっかけた挙句、てっかまきの胸を両手で鷲掴みにしてしまった。その後はお察しの通りである。

コルアサはその場で酒場をクビになってしまった。その後、コルアサとてっかまきは広場にある石造りのベンチに座って話した。

「すみませんでした」

コルアサはボコボコに腫れ上がった顔でしょぼんとしょげている。

「まー、人間、間違いはあるもんだし、もういいけどさ」

てっかまきはそっぽを向いている。

(でも、おっぱいの感触、気持ちよかった……)

コルアサがそんなことを考えてニヤニヤしているとてっかまきに頭をボコッと殴られた。

「あんた傭兵上がりか何か?」

てっかまきが尋ねる。コルアサの顔には大きな傷があった。

「いえ……魔物上がりです」

てっかまきが眉間にしわを寄せながら剣を抜こうとすると、コルアサはひたすら平身低頭で、今までの行いを悔い、更生したいのだと釈明した。

「めずらしいわね。亜人になった魔物なんて」

借金を返すために剣を志し、数多の魔物の首を跳ねてきたてっかまきですら亜人になった魔物など見たことがなかった。

「俺はもともとはサイおとこだったのですが、亜人になりたい、なって平和に暮らしたいとずっと思ってました。そしたらある日、夢に創世の女神ルティアナという人が出てきて、起きたらオーガの姿に……」

さらに話を聞くと3ヶ月前に亜人になったばかりで社会経験がゼロであり、どの仕事をやっても上手く出来ないという。

「いくらなんでも、その顔の傷で客商売は無理でしょ」

てっかまきの言うことは正論である。コルアサの傷は額の右端から顎の左端まで顔いっぱいに斜めに付いておりとても誤魔化せる代物では無かった。なんで客商売を選んだのかと聞くとイメージが良いからだと言う。

(その傷でイメージもクソも……)

てっかまきはそう思った。

「何でイメージとか気にしてんの? 誰があんたに対してイメージ抱くのよ?」

そう尋ねるとコルアサは顔を赤らめもじもじし始めた。てっかまきはその反応を見てすぐ理由がわかった。

「誰? 誰が好きなの?」

「あの、パン屋の売り子さんが……」

「どんな人?」

そう尋ねるとコルアサは前のめりになり、目を輝かせていかにパン屋の売り子が素晴らしい女性かを熱く語り始めた。

「それはもう美しい女性でして、あの目、あの鼻、あの口、そして体つき、もうランガーオ村のマイユなんかよりも遥かに上だと思いますね」

ランガーオ村のマイユは非常に美しく、マイラーと呼ばれるファンを数多く持ってることで知られる。てっかまきも初めてマイユを見たときは、そのあまりの可愛さに度肝を抜かれた。そのマイユより上の女性が居るとは思えないし、まして居たとしても小さなパン屋などで働いているとはとても思えないとてっかまきは思った。

「そして、とても心優しいんです。俺が腹をすかせて金もなくて、店の外でパンを売っている売り子さんをじっと見ていたときに、”お一つどうですか”と言ってパンをひと切れくれたんです」

(試食じゃないの? それ)

てっかまきは思ったがあまりにコルアサが目を輝かせて語るので口に出すのはやめといた。

「で、その子が好きだから、まっとうな職に付いて恋人になってもらおうとしてるわけね」

「いえ、恋人なんか嫌です。夫婦になります」

「いや、いきなり夫婦は……」

「いえ、なります。絶対あの子と夫婦になります」

てっかまきはこいつをどうしたらいいか後ろ頭をボリボリかきながら考えた。

「じゃあ、明日、結婚を申し込もう」

てっかまきはコルセアに言った。

「ええっ、明日ですか? でも心の準備が……」

「そんなデカイ体してウジウジ言ってんじゃないよ。男なら覚悟決めて突撃しろ」

盛大に振らせて目を覚まさせてやろうと考えたのである。

「あんた、いつもどこに寝泊まりしてんの?」

「空き地の隅に草をいっぱい敷いて……」

「今日は宿屋おごってやるから明日に備えてゆっくり寝ろ」

そう言うとコルアサは、また顔を赤らめもじもじし始めた。

「それは……アレですかね、一夜を共にしようっていう……アレですかね」

コルアサの顔はさっきの倍以上腫れ上がることになった。

*****

翌朝、てっかまきとコルアサはパン屋の前に居た。

「どこにマイユ以上がいんのよ? 居ないじゃない」

「目の前に居るじゃないですか。 ほら箒で道を掃いている……」

(こ、これは……)

てっかまきは度肝を抜かれた。

(すっごい普通)

そこに居たのはこれと言った特徴のない普通の若いオーガの女である。年齢は20いかないぐらいだろうか。確かに不細工ではない。しかし、マイユには程遠かった。てっかまきはコルアサに付き合うのがだんだんバカらしくなってきたが、乗りかかった船なので最後まで面倒を見ることにした。

「ほら、じゃあ早く結婚申込むのよ。ほら行きな」

しかしコルアサはもじもじするばかりで一向に行く気配がない。

「あの、やっぱり定職に就かないと無理ですよ。食わせていけないんですから」

てっかまきはだんだんイライラしてきたが、ぐっとこらえた。

「じゃあ、肉体労働をすんのよ。あんたに向いてんだから。肉体労働をしてる逞しい男が好きって女は多いんだから」

「はあ……そうですか。じゃあやってみます」

てっかまきはどの職業が向いてるかなと考えたが、肉体労働の中でも最も過酷な木こりをやらせることにした。

*****

町近くの森、木こりの親方と数人の弟子、そしてコルアサが働いている。てっかまきはそれを見物していた。

「コルアサ、この丸太、そっちに持っていけ」

「はい、親方、よいしょっと」

コルアサは普通なら4人がかりで運ぶ丸太を1人でひょいと抱え上げ、ドワーフ男の親方が指示した場所へ運んでいく。10人中7人が1日で音を上げると言われる木こりの仕事をコルアサは楽しそうにやっていた。

「いやぁ、なかなか感心なやつだ。よく働く」

親方もコルアサを気に入ったようで、ぜひ正式にうちに弟子入りしてくれとコルアサに言った。

「やっぱりこういう仕事が俺に向いてるんですね。すごく楽しいですよ」

コルアサは汗を拭いながら笑っててっかまきに言った。てっかまきも満足げに笑う。

「しかしコルアサ、お前カワイイ嫁さん貰ったな」

「よ、嫁さんって……私?」

てっかまきは困惑しながら自分で自分を指さした。

「嫁さん……えへへ」

コルアサは嫁さんという言葉の響きに照れてもじもじしている。

「嫁じゃなくて妹です親方」

てっかまきは親方に笑いかけながらコルアサの頭をぶん殴った。

「あー、妹さんかい。あんまり似てねえな」

「よく言われるんです」

てっかまきは親方と談笑しながらコルアサに頭蓋骨固めを極めている。

「兄は元はガートラントの兵士で……」

てっかまきがコルアサの経歴を捏造しようとしたその時、和やかな雰囲気を一変させる事態が起こる。突如として10匹ほどの魔物が茂みの中から飛び出してきて、コルアサの周りを取り囲んだのである。

「やっと見つけたぞコルアサ!」

魔物の中の1匹のオークがそう言うとコルアサを槍で突いた。しかし、コルアサに槍が届く前に斬りかかったオークの首が飛んだ。

「コルアサは親方を守ってな」

「でも、危ないですよ」

「いいから」

てっかまきは強引にコルアサを下がらせると例のごとく瞬く間に10匹を両断してしまった。

魔物を片付けた後、親方とてっかまき、そしてコルアサは木の切り株に座って話していた。コルアサは観念して親方に全ての事情を話した。だが、聞いている親方の表情は厳しい。

「こんなやつですけど、心は完全に入れ替えたようで、真面目に働く気はあるんです」

てっかまきは必死にコルアサを弁護する。

「そりゃこいつの働きぶり見りゃわかるよ。俺としてもこいつを弟子にしたい。過去の履歴なんか関係ねえさ。ならず者崩れの奴が入ってくるなんてうちは珍しくないしな」

「あ、ありがとうございます!」

切り株から降り、目を潤ませて地面に頭を擦り付けるコルアサ。

「だが、魔物が頻繁にコルアサを襲ってくるんじゃこっちも商売にならねえ。何とかならねえかな」

「……その魔物たちってどこからやってくんの?」

てっかまきはコルアサに尋ねる。

「森の奥に根城があるんです。洞窟の」

てっかまきは膝をポンと叩くと立ち上がった。

*****

てっかまきとコルアサは森の奥の根城へと向かう。てっかまきはだんだん本当にコルアサの恋を成就させてやりたいと思うようになっていた。

「……だいたい、あんたってさ、女の経験あるの? 魔物の群れなんか男ばっかでしょ」

「俺はこれでもサイおとこだった時代は超イケメンだったので、女の子にモテモテだったんですよ」

「ふーん……」

てっかまきは「うそくせー」と思ったが口に出すのはやめておいた。そうこうしているうちに魔物の根城についた、割りと大きそうな洞窟である。入り口の前でうろうろしてるカメレオンマンが4匹いる。

「あんたはここで待ってな」

「でも、本当に1人で大丈夫ですか? 助太刀したほうが……」

「いいから待ってな」

てっかまきはそう言うと剣を抜き、スタスタと魔物に近づいていった。そのうち、カメレオンマンの中の1匹がてっかまきに気づき、鋭い武器をかまえた。しかし、てっかまきを攻撃しようとした瞬間、両腕が無くなっていた。痛がる間も無く、カメレオンマンは両断される。残りの3匹がいっせいにてっかまきを攻撃してくる。てっかまきは3匹の攻撃をひょいひょいと避けると、一振りで3匹いっぺんに両断した。てっかまきは首をコキコキと鳴らし、洞窟の中に足を踏み入れる。

洞窟のなかはわりと広い穴がぐねぐねと曲がりくねって続いていた。てっかまきは松明に火を灯し、スタスタと進んでいく。そのうち、見回りをしていた毒矢頭巾がてっかまきに気づき、矢を放ってきた。てっかまきはひょいと入身でかわすと、そのへんにあった石を拾って思い切り毒矢頭巾に投げつけた。すると、石は毒矢頭巾の額に命中し、頭がザクロのようにぱっくりと割れた。

てっかまきはどんどん進んでいく。途中でしびれだんびらが4匹襲ってきたが、片手で大剣を振り回して一撃で全滅させた。

さらに進んでいくと広い空洞に出た。

中は明かりが灯っていて明るい。てっかまきはその辺にポイと松明を放り投げた。中を見回すと、悪魔神官が1匹居る。

「な、何だお前は!?」

「あなたがここのボス?」

「誰か……!」

「誰も来ないわよ」

てっかまきはニコリと笑って剣を構えた――。

*****

「すごいですね」

帰り道、コルアサは目を輝かせながら言った。どこで剣を習ったのかと聞かれたが説明するのが面倒くさいので適当にごまかしておいた。親方に魔物は一掃した旨を伝えたところ、非常に喜んでコルアサを正式に弟子入りさせると明言した。また、親方の家に住み込みで良いという。コルアサは涙を流して喜んだ。ついに念願の社会人である。しかも家まで出来たのだ。これでパン屋の売り子に結婚を申し込む土壌は整った。あとはコルアサ次第である――。

――その日の夕方。メギストリス城下町、パン屋前にて。

「ほら、はやく行きなさいよ」

「で、でも断られたら……」

コルアサはもう1時間もここでもじもじしていた。てっかまきはだんだんイライラしてきて語気が強まる。

「いいからさっさと行け! このウジ虫!」

てっかまきはコルアサの尻を蹴飛ばして、店じまいの支度をしている売り子の前に無理やり追いやった。

「あ、あ、あの……」

上ずった声で売り子に話しかけるコルアサ。

「あら、すみません。今日はもうおしまいなの」

くったくのない笑顔を見せる売り子。

「あ、あの……」

売り子はコルアサが帰らないので不思議そうな顔をした。

「何かご用ですか?」

「あ、あ、俺と……け、け!」

そのとき、パン屋の主人と思われるオーガの男が入り口から顔を出す。

「おーい、コレット。ちょっとこっち手伝ってくれ」

「はーい! あなた!」

てっかまきとコルアサは目をまんまるにして顔を見合わせる。

「あなた!?」

*****

――その日の夜、大泣きするコルアサとてっかまきが酒場のカウンターで飲んでいた。

「まあ、仕方ないわよ。夫婦で経営してるパン屋なら」

コルアサの涙は止まらない。

「姉さん、いっそのこと俺の首も跳ねて下さい」

そんなことを言いながら酒を浴びるように飲み大泣きした。

「あんた、明日から仕事なんでしょ。そんなに飲み過ぎないの」

「あの子と結婚できないなら仕事なんかしても意味ない」

その時、酒場全体からどよめきが起こった。なんだと思って振り向いたてっかまきは戦慄した、鳥肌が立った。1人のオーガの女が立っていたのだ。人形のような小さな顔、切れ長で大きな目、スッと通った鼻筋、細くてシュッとした顎、スラリとした肢体、細くて長い手足、豊満なバスト、キュッと締った腰、そこに立っていたのはマイユに匹敵する容姿を持つ娘であった。娘は厨房用の白いエプロンを付けている。おそらく厨房で働いている店員だろうか。ならば、厨房で働けるぐらい料理の腕が良い点で女子としてマイユに勝り、マイユ以上である。てっかまきは何でこんな可愛い娘が酒場の厨房などで働いているのかと不思議に思った。娘は美しい歩き方でゆっくりとコルアサの前に歩み寄ると顔を赤らめ、もじもじしながら話し始めた。

「あの……コルアサさん」

「へ? なんだエレイアか」

「コルアサさん……店員は辞めちゃったけどお客さんとして毎日来てくださいますよね?」

「ああ、まあ、酒好きだから来るかもね……」

コルアサはグスグスいいつつエレイアの質問に答えた。エレイアは嬉しそうに微笑むと、

「私、コルアサさんのこと待ってます」

そう言って恥ずかしそうに厨房へと消えていった。てっかまきは開いた口が塞がらなかった。あんな娘が何でよりにもよってこの男なのだ。神は残酷だと思った。

「あんた、どうすんの?」

「どうすんのって何がですか?」

「あの子、あんたに惚れてるわよ。マイユ以上の子が」

「エレイアのことですか? 悪いけど俺ああいうイモっぽい子は趣味じゃないんです。やっぱりパン屋の子みたいな洗練されてて美しい子でないと……」

それを聞いたてっかまきはやはり神は残酷だと思いつつエールを口にするのだった。

――てっかまきの旅はまだまだ続く。

あとがき

如何でしたでしょうか。

楽しんでいただけたのなら幸いです。

ところで、以前、ツイッターで「RPてっかまきをシリーズ化してくれ」と言われまして。

一応、シリーズ化するつもりでいます。上げるのは不定期だけどね。

次回作のネタはまだ考えてないですけど、まあ、そのうち考えます。

あとね、このシリーズって目覚めし冒険者でもエテーネでも何でもない普通のオガ子が主人公じゃないですか。

もう1つね、目覚めし冒険者を主人公にして書きたい物語があるんですよ。

それを、どうしようかな~と考えていて。

主人公誰にしようかって。目覚めし冒険者てっかまき? それだと、ロールプレイてっかまきとごっちゃになってややこしいからやりたくないんですよ。

「エックス」でやる? できないこともないけど、考えてるのって割りとシリアスで、主人公がカッコいい物語なんでね。エックス君はネタキャラすぎてちょっと合わないかな……。

まあ今のところ全部未定。書くかどうかも未定。

「RPてっかまき」のほうは続き書くけどね。

さて、というわけで、今日も読んでいただいてありがとうございました。

また、次回作をお楽しみに!

それでは、失礼します。

See You!

コメント

  1. フェアリー より:

    読んだよー!
    今回もおろしろかった♪
    次回作きたい!!
    普段とは違うまきまきさんでなん
    か新鮮な気持ちで読んでるよw

    • てっかまき より:

      読んでくれてありがとー^^
      まあ、ロールプレイやからね。普段とは違う感じになるよ。
      また次回作楽しみにしててね~(^o^)

  2. ろざみー より:

    人の好みって、わかんないよねー(*^O^*)/
    相性って大事ってつくづく思います(●^o^●)b♪

    楽しいストーリーありがとう☆\(^o^)/

  3. ハルカ より:

    相変わらず設定がおもしろいね♪
    次回作ワクワク(*´▽`*)

  4. マリ より:

    最初は、「コルアサwwwwストーカー気質wwww」
    とか思って読んでたけど…
    コルアサお前…コルアサお前…うらやまけしからん…
    というか、てっかしゃんワールドでは魔物→5種族に転生できるのか~
    自分の魔物たちが人間になったら?っていう妄想が捗るNE!

    • てっかまき より:

      いちおうコルアサだけなぜか転生できたっていう設定で、他に魔物が転生した例は無い、っていう設定よ。たぶん、これかもそういう魔物は出さないと思う。

      まあ、そういう妄想は面白いかもねw

      読んでくれてありがと^^

  5. かりん より:

    いつも楽しませてくれてありがとうです♪
    今回も面白かった~☆
    いろんな味?の物語書けるんですね!凄いです…。

    次回作も楽しみにしてます(気長に待ってまーす)。