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【小説】RPてっかまき物語〜不思議のガチャコッコ〜

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まえがき

みなさんこんにちは。

てっかまきです。

ひさびさに「RPてっかまき物語」を書いてみました。

この作品は採掘ギルドが初めてオープンしたときに書きかけておいたものです。

それを昨日書き上げました。

なので、ちょっと旬はすぎてしまったかもしれません。

この作品で登場する採掘ギルドは、実際のアストルティアに存在する採掘ギルドとはちょっと仕様が違っています。

パラレルとして楽しんでください。

そして、まさかのギュー再登場。

どんな活躍をしてくれるんでしょうか。

では、ご覧ください。どうぞ。

RPてっかまき物語〜不思議のガチャコッコ〜

ここはガタラの町を出てガタラ原野を少し歩いた場所。暑い日差しの中、多くの冒険者たちが掘っている。穴を。掘って掘って掘りまくる。

今ガタラはゴールドラッシュである。長らく休業していた採掘ギルドが再開し、お宝を探せとばかりに冒険者達が集まってきているのだ。

まず、採掘ギルドがお宝の眠っている場所の目星をつけ、発表する。そして、それを聞いた冒険者達がお宝を探す。もし、お宝が見つかった場合には7割を冒険者が貰い、3割を採掘ギルドに払うのである。

そして、例によっててっかまきもこの喧騒の中にいた。

「よし、ギュー。次はそこだ」

「お師匠様、ちょっとは休ませてくださいよ~」

てっかまきは手に持っていた棒きれでギューの頭をパカンと叩いた。

「あいたっ」

「弟子入りしたいと言ったのはあんたでしょ。これは基礎体力の訓練なんだからちゃんとやりなさい」

「普段は放ったらかしなのに都合のいい時だけ家に来て、こきつかう癖に」

またパカンと叩く。

「いたーっ」

「ほら! さっさと掘る!」

……はーい」

ギューはスコップを使って気だるそうに、穴を掘り始めた。

「何もないですよ、お師匠様」

「浅い! もっと深く!」

「こんなとこにあるわけないですって……

ギューは再び穴を掘り始める。しかし掘っても掘っても見えるのは土ばかり。

「むー、ここには無いのか」

「だって明らかに誰かが掘った後ですよ、ここ」

「もっと人が居ないとこに行かないとダメか。よし、向こうに行くぞ」

てっかまきとギューは全く人が居ない場所に足を運ぶ。多くの冒険者が掘っている草原を抜けて、歩いて、1時間ほど歩き、そびえ立つ岩山の麓まで来た。

「よし、次はここを掘ろう」

「こんな岩山の麓にお宝なんかあるんですか?」

「わかんないけど、掘ってみるの!」

「掘るのは僕じゃないですか」

パカンと頭を叩く。

「いってぇー」

「さあ! 無駄口叩いてないで早く!」

ギューはスコップで硬い地盤を掘り始める。しかし、またもや掘っても掘っても見えるのは土ばかり。

「何もないですよ、お師匠様」

「う~ん、もうちょい深く掘ってみようか」

ギューがまた土にスコップを突き立てた、その時。カチンと音がした。

「あっ! 何かありました!」

スコップを放り出してしゃがみこみ、土を手で掻き出すギュー。てっかまきを棒を放り出して土を掻き出す。

「これは……、宝箱!?」

出てきたのは古めかしい小ぶりの宝箱である。

「よし! よくやったわ、ギュー! さあ、それをこちらに」

「え? 宝は山分けですよね?」

「山分けじゃないわよ。あんたのぶんはないよ」

「ええっ! なんでですか! 掘ったのは僕じゃないですか!」

「忙しいのに面倒見てやってんだから、逆に月謝を貰いたいぐらいよ」

「そんなぁ、お師匠様~……

てっかまきは強引にギューの手から宝箱を奪い取る。そして、開けようとしたが、鍵がかかっていて開かない。しかし、よく見たところ鍵はかなり腐食しており、ちょっと力を込めればこじ開けられそうな感じだった。

「ふんぬっ!」

てっかまきが顔を真っ赤にして、力を込め、鍵を引っ張ったところ、ガチャンと大きな音がして鍵が外れた。

「よし、開けるわよ」

ゆっくりと蓋を開ける。すると、中からホコリを被った球体が出てきた。見たところ、金属で出来ていて、プクリポの頭ぐらいの大きさ。てっかまきは球体を抱え上げ、フッと息でホコリを払う。

「なにこれ?」

次の瞬間、球体がウィーンガシャンガシャンと音を立てた。

「な、なになに!?」

てっかまきはとっさに球体を放り投げる。すると、球体は浮かんだままガシャンガシャンと形態を変えていく。

「ぷはーっ! やっと外に出れました!」

呆気に取られるてっかまきとギュー。金属製の胴体に頭、羽、尾羽根、足。それはどうみてもガチャコッコであった。

「ありがとうございます! あなたたちは命の恩人です!」

「殺れ、ギュー」

「はい」

「ま、待ってください……! 話を聞いて下さい……!」

ガチャコッコは必死に命乞いをした。話を聞くと、冒険者によって友人を殺された挙句、穴に埋められたのだという。仇を取りたいから力を貸して欲しいというガチャコッコ。

「私たちにそんなことする理由はない」

てっかまきは背負っていた剣を抜き、構えた。

「ま、待ってください! お宝があります!」

「お宝?」

「そうです! 金塊がたくさん!」

「金塊って、どこにあんのよ」

「秘密の場所があるのです」

「信用できないね」

「そこにある木の根本のあたりを掘ってみてください」

ガチャコッコは側にあった木の根本を指差す。

……ギュー、掘ってみて」

「はい」

ギューは木の根もとを掘り始めた。ザクザクと掘る間、ガチャコッコがパタパタと羽ばたく音と、風の音、スコップの音だけが場を支配する。ザクザクと掘るうち、ぐにゅとした何かにスコップが当たった。

「何かありました!」

「掘り出してみて」

「はい」

穴から出てきたのは小さい革袋であった。ギューが中を検める。

「ありました! 黄金の欠片3個です!」

ギューがてっかまきに革袋を渡す。黄金の欠片を1個手にとって、コロコロと確かめるてっかまき。

「金塊じゃないじゃない」

「金塊は別のところにあるのです。冒険者を退治して頂けたらお教えします」

「ふーん……

黄金の欠片を見ながら、目を細めるてっかまき。

……まあ、そんなに言うなら力を貸してやってもいいわよ」

「お師匠様!」

「なに?」

「いいんですか? 魔物に加担したら死罪ですよ……

「黙ってりゃわかりゃしないわよ」

「では、私はガタラの宿屋の裏にある樽の中で待っていますので、冒険者の首を持ってきて下さい。そしたら金塊の場所を教えますので」

「わかったわ。何かその冒険者の特徴とかあるの?」

「赤いターバンを巻いてました。そして、ガタラの住宅地に住んでるとか言ってました」

「ふーん。ま、探してみるわよ」

「お願いします」

*****

「お師匠様、本当に大丈夫ですか……?」

「なにが?」

てっかまきとギューはガタラの町中を歩いている。すでに夕日が沈みかかっているガタラの町は、家に帰る労働者たちであふれていた。

「僕、死罪になりたくないですよ」

「バカね、あんたは」

「は?」

「金塊のありかを聞き出したら、あのガチャコッコを殺せばいいのよ。そしたら加担したことにはならない」

ギューは呆気に取られた。内心とんでもない悪人だと思ったが、もちろん口には出せない。

「金塊、金塊、ひひひひ……

「前回との落差がヒドイですよ、お師匠様」

「うるさい」

ふたりは、とりあえず情報を集めるため、酒場に向かった。着いたころには、夜になっており、ちょうど仕事終わりの労働者たちや、穴掘りに疲れた冒険者たちが酒を飲んでいる。情報収集するには頃合いであった。

「いらっしゃいませぇ!」

かわいいドワーフのウェイトレスが笑顔で2人に応対する。

「ま、とりあえず一杯やりますか」

ふたりはカウンターに座り、酒を注文した。ギューはミルクであるが。

程なくしててっかまきの前にエールが運ばれてくる。ゴクゴクと一気に飲む干すてっかまき。

「ぷはーっ、労働の後の酒はうまいねぇ!」

「労働したのほとんど僕じゃないですか」

「いちいち、うるさいなぁ、あんた。破門にするわよ」

「すみません……

ひとしきり飲んだてっかまきはそれとなくマスターに声をかける。

「ねぇ、マスター、この辺で赤いターバンの冒険者見たことない?」

「赤いターバン? さぁ、知らねえな」

マスターはフライパンでオムレツを作りながら答える。

「人探しなら、あそこに座ってる爺さんに聞いてみな。50年前から毎日この酒場に来てるからよ」

マスターが指差したテーブルには70前後と思われる人間の老人が座っている。てっかまきはミルクを飲みながらうつらうつらしているギューを置いて、その老人に近づいた。

「相席いいかしら? おじいさん」

「ああ……、かまわんよ、オーガのお姉さん」

「お姉さん! こっちにエール2つね!」

「かしこまりましたぁ!」

ドワーフのウェイトレスはニコニコと微笑みながら厨房の奥に消えていった。

……ねえ、おじいさん。この辺に赤いターバンを巻いた冒険者って居ない?」

「赤いターバン」

「そう、赤いターバン」

「1人だけ知っとるよ」

「ほんと!?」

「お待たせしましたぁ」

ウェイトレスが満面の笑みでエールを2つ持ってきた。老人はジョッキに口をつける。てっかまきは他の客にニコニコと給仕をしているウェイトレスをちらりと見て、声をひそめた。

「で、誰なのそれは」

「冒険者ではなく採掘ギルドの調査員だと言っておった」

「採掘ギルド……」

老人はふたたびジョッキに口をつける。

「そうじゃ。じゃが、その男は……」

「ありがとう、おじいさん。助かったわ」

てっかまきは寝ているギューを起こして採掘ギルドへ急いだ。

*****

「どうするんですか? お師匠様、誰も出てきませんよ」

てっかまきとギューは採掘ギルドの裏に隠れていた。夜も更けているがギルド内の明かりが消える気配はない。やがて――。

「あっ、人が出てきました!」

「しっ!」

中から調査員と思われるドワーフが1人出てきた。しかし赤いターバンは巻いていない。

「ここにいるって間違いじゃないんですか?」

「静かに!」

すると、そのドワーフに続いてもう1人、ドワーフの男が出てきた。

「あっ、赤いターバン巻いてる!」

「よし、後を付けるわよ……」

てっかまきとギューは気づかれないように赤いターバンの男を追う。

やがてターバンの男は町に出るトンネルを抜け、町の中を抜け、住宅街に入った。そして1件も家が建ってない丁目に差し掛かったところ――。

布で顔を覆ったてっかまきとギューが男の前に躍り出る。

「なんだお前らは?」

男はまったく動じていない。てっかまきとギューは剣を抜いた。

「野盗か? こんな町中でバカなまねを……」

「申し訳ないけど、あなたには死んでもらうわ」

男は懐をまさぐると、黒く光る石を取り出し、天に掲げた。

「魔障石!?」

男の体が漆黒の霧に包まれる。

「気を抜かないでギュー! 殺されるわよ!」

「は、はい!」

やがて霧の中から出てきたのは数十万匹はくだらないネズミの群れであった。

「な、なにこれ! いたっ!」

ネズミたちはてっかまきとギューに跳びかかって全身をかじり始めた。

「いてーっ! お師匠様!」

2人は剣を振り回すがネズミの大群相手には空回りするだけである。

「逃げるわよ!」

「は、はい!」

2人は体中にひっついているネズミを払いながら一目散に逃げ出した。逃げて逃げて、住宅街を抜け、町に差し掛かったころにはネズミは1匹もいなくなっていた。

「はあ……はあ……」

「はああ……」

地面にへなへなと座り込む2人。

「何なんですかあれ」

「赤いターバンの男も魔物だったってわけね……」

「どうしましょう?」

「とりあえず、ガチャコッコのところに行って話を聞きましょう」

ふたりは宿屋の裏へと急いだ。

宿屋の裏には薄暗い中、1つの樽があった。てっかまきは樽をこんこんと叩く。すると、ぴょこりとガチャコッコが顔を出す。

「やられてしまったようですね」

「ようですねじゃないわよ。相手が魔物だなんて聞いてないわよ」

「すみません……」

「なんで嘘ついたわけ?」

ガチャコッコは樽からピョンと飛び出した。

「実は……、穴に埋められたときに、真実を話せない呪いをかけられてしまいまして」

てっかまきが眉をひそめる。ギューはあからさまに不快感を口にした。

「こんなの信じるんですか? お師匠様」

「まあ……、金塊はともかく町中にあんな魔物をのさばらせておくわけにはいかないわよ」

「ありがとうございます!」

しかし、てっかまきはため息を付いた。ネズミをどうやって退治すればいいのか。

「魔法で焼き払うのはどうでしょう?」

ギューが進言するも、てっかまきは首を横にふる。

「あんな大群を焼き払うのはメラガイアーでも使えないかぎり無理よ。そんな伝説級の魔法使える人なんかいないわよ」

てっかまきとギューははため息をついた。

「あんなネズミが1つのターゲットを波状攻撃できるとは思えないから、大群のどこかに司令塔になってるネズミが1匹いるはずなのよね」

「じゃあ、そいつを倒せばいいってことですか? お師匠様」

「でもあの中で1匹のネズミを探すなんてできないわよ」

しばらく場を沈黙が支配したが、やがてガチャコッコが口を開いた。

「私を……、その男のところに連れて行ってもらえますか?」

「あんたを? ガチャコッコなんかに何ができるのよ」

「私をその男のところに連れて行き、やつが首に下げてるペンダントを破壊して欲しいんです」

てっかまきとギューはわけがわからないといった感じで顔を見合わせる。

「理由は呪いのせいで言えません。でも、それできっと倒せるはずですから」

腕組みして考えるてっかまき。

「どうするんです……? お師匠様」

「今のところこいつしか手立てが無いから連れて行ってみる」

「ありがとうございます!」

*****

翌日夜、2人と1匹は、前日にネズミに襲われた場所でふたたび待っていた。この日は新月。辺りは真っ暗である。ヒューヒューと吹きすさぶ風の音が、何も建ってない丁目をより寂しいものにしている。

「ペンダントを破壊できるのは、奴が魔障石を使うまでのほんの一瞬しかありません」

「あんたがやるのよ、ギュー」

「えっ! ぼ、僕がですか?」

「私の大剣では遅いから、あんたの片手剣で狙い撃ちするしかない。それくらい出来るでしょ?」

「は、はい……」

ギューは自信なさげである。それからまたしばらく、風の音と、ガチャコッコの羽ばたく音だけが周りを支配した。

「あっ、来ました!」

隣の丁目から歩いてくる男の姿が見えた。赤いターバンをかぶった、昨日の男である。よく目を凝らしてみると、確かに首からペンダントを下げているのが見えた。

「よし、行くわよ」

2人と1匹が男の前に躍り出る。しかし男は冷静である。「またか」と言った感じでため息を付いた。

その瞬間、ギューが抜きざまに男のペンダントを斬りつけた。だが、ギューの剣は男のペンダントの鎖を切っただけであった。

「ばかっ……!」

てっかまきがそう叫ぶと同時に男はネズミの大群に姿を変えた。

「ペンダントを探して破壊してください!」

ガチャコッコが叫ぶも地面はネズミだらけでどこにペンダントがあるのかわからない。2人は体中にひっついたネズミを振り払うので精一杯である。

「ギュー! ペンダントを探しなさい!」

「無理です!」

そう言っている間にもネズミは次々と2人の体に飛びつき、皮膚に歯を突き立てる。全身を刺すような痛みに2人はのたうち回った。

次の瞬間、ネズミの群れに一筋の隙間ができ、ペンダントが見えたのをガチャコッコは見逃さなかった。ガチャコッコは光のごとき速度でネズミの群れに突っ込むと、ペンダントをくわえて舞い上がった。

「オーガさんこれを!」

てっかまきに向かって突っ込んでくるガチャコッコ。てっかまきは片手で大剣を振り回し、ガチャコッコの口から垂れ下がるペンダントを粉々に砕いた。

その瞬間、ガチャコッコは煙に包まれ、なんと1人のドワーフの女に変化した。

「な、なに!?」

ネズミを振り払いながら、あっけに取られるてっかまきとギュー。

ドワーフの女は着地すると、まばゆい光を発する手を地面につけた。すると、手から発せられる光が放射状に地面を伝わっていき、ネズミたちは光に包まれた。

「オーガさん、あれを!」

ドワーフが指差すところに1匹だけ光り輝いているネズミがいる。

「司令塔です!」

光り輝くネズミは居場所がバレて自暴自棄になったのか、自らてっかまきに向かって飛びかかってきた。てっかまきの剣によって両断されるネズミ。光り輝くネズミを殺すと、他のネズミたちは黒い霧となって霧散した。

あとに残ったのは静けさ。風の音と耳に残ったネズミの鳴き声の余韻。3人ともしばらく呆然と佇んでいたが、やがててっかまきが口を開く。

「あなた一体何者……?」

「とりあえず2人とも傷の手当を……」

ドワーフの女は膝をついて肩で息をするギューを立ち上がらせた。

――30分後。

「私は昔、採掘ギルドの調査員だったんです」

ドワーフの女はてっかまきの肌にやくそうを煎じた薬を塗りつけながらぽつぽつと語り始めた。ここはガタラの宿屋。2人の手当をするため、ここで部屋を借りたのである。

「私には生まれつき特殊な能力があって……」

「能力?」

「ええ……。隠されたものを探す能力です。そのおかげで調査員として一番の出世頭だと言われてました」

「あなた名前は?」

「モモと言います。……でも、そのせいであのターバンの男に妬まれてしまって」

てっかまきはモモの顔をじっと見た。

「それでガチャコッコに変えられたの?」

「そうです。力を根こそぎ奪われて、あの箱に封印されて……」

「そうだったのね」

「おふたりには感謝してます。あの男を倒して、私を元に戻してくれた」

「金塊に釣られただけよ」

てっかまきは後ろ頭をポリポリとかきながら苦笑した。

「約束は守ります。金塊のありかを……」

「本当に知ってるの?」

「いえ、知りません」

「え」

「これから探します。能力を使えばすぐに見つかりますから。……ギューさん、ちょっと起きてください。薬を」

てっかまきはギューの手当てをするモモをじっと見つめた。

*****

翌日。3人はガタラ原野を歩いていた。モモを先頭に、それに続くてっかまき、そしてそれに続くスコップを背負ったギュー。

ほどなくしてモモはピタリと足を止めた。

「なに? あったの?」

「この辺で何か感じます。ちょっと待って」

モモはこめかみに指を当てて、精神を集中し始めた。

「あの草が茂ってるところに何かありそう」

「よし、ギュー」

「はい」

ギューはモモが指示した場所をスコップで掘り始めた。

ザックザックという音と風の音だけが場を支配する。やがて、てっかまきが口を開いた。

「あんた、またギルドに戻るの?」

「いえ……、故郷のアグラニに戻ろうかと。もうこの能力を使いたくないんです」

「そう……」

「何かありました!」

ギューが叫んだ。てっかまきはしゃがみこんでギューと共に手で土をかき出す。

「なにこれ、宝箱?」

「めちゃくちゃ大きいですよ。なんでしょうねこれ」

やがて高さがオーガの膝ぐらいまである大きな宝箱が姿をあらわした。

「んぎぎぎぎ! はあ……はあ……、お師匠様ちょっと手かしてください」

「よし、せーの!」

その宝箱は2人がかりでようやく持ち上がるほど重く、やっとのことで穴から持ち上げた。

「はあ……、はあ……、よし、開けるわよ……」

てっかまきがゆっくりと箱を開けると、金色に光る金塊が姿をあらわした。宝箱いっぱいに詰まっている。

「やったー! 金塊だー!」

てっかまきとギューは抱き合って喜んだ。

「やりましたね、お師匠様! うううっ」

涙ぐむギュー。

「ありがとう、モモ! ……あれ?」

てっかまきが振り向くも、そこにはモモの姿は無い。

「モモ……」

「……お礼を言いそびれちゃいましたね」

その後、てっかまきがモモと会うことは無かった。しかし、数年後、風のたよりでモモは鉱夫と結婚し、幸せに暮らしていることを聞いた。

てっかまきの旅はまだまだ続く――。

あとがき

みなさんいかがでしたでしょうか。

自分的にはこの出来にはあまり満足してないです。

なんかいまいち物語に起伏がないね。

まあ、この作品は途中で書くのに行き詰まって放置してたものなので、完成させられただけでも御の字でしょうか。

最初に構想したときは、ガチャコッコが実は悪者でデカイ魔物に变化して、それを倒すといったことを考えてました。

でも、書いてるうちにどうしてもガチャコッコが悪者のイメージが浮かばなくてね。

なんか安っぽい感じがして。

それで、酒場で赤いターバンの男を探すとこぐらいで方針転換したんですけど、今度は赤いターバンの男が何者かが宙ぶらりんになってしまい、書けなくなってしまいました。

2〜3日前に辻褄合わせを思いついて書き上げたんですけど、やっぱり途中で行き詰まった作品はダメだね。

一気に書き上げた作品のほうがおもしろい。

というわけで、次回作の構想はまだ無いですが、追々考えるのでお楽しみに。

ではでは。

See You!